20.五役相勤めし候!~博多座舞台写真に乗せてご案内~

ご愛読誠にありがとうございます。
毎日熱い舞台が繰り広げられております錦秋花形歌舞伎『雷神不動北山櫻』
今公演の第一の見どころは、もちろん、サブタイトルの「市川海老蔵、五役相勤めし候!」
当代切っての花形・市川海老蔵丈が、個性が異なる5人の登場人物を、
ときに早替わりで演じわけ、さまざまな魅力を存分に発揮いたしております。

本日は、早速届きました博多座舞台写真を織り交ぜながら、この五役について、ご案内申し上げます。

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【早雲王子】(はやくものおうじ)
時の帝の皇子としてこの世に生を受けましたが、
「早雲王子が帝位につくと世が乱れる」という、陰陽師・安倍清行の占いにより、
帝になることができなかったため恨み、鳴神上人を騙して旱魃を引き起こさせるなど、
天下を奪うため数々の陰謀を企てます。
ニヒルで冷酷ですが、哀愁の影が魅力的です。


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【安倍清行】(あべのきよゆき)
陰陽師であり政事にも多大な影響力を及ぼすフィクサー的存在です。
朝廷の命で、ことの折に占いや祈祷を行い、いち早く早雲王子の陰謀を察知します。
年齢は100歳を超えていますが、容姿端麗で色男。女好きなところがウィークポイント。
聡明さと通力でいちはやく真理を見抜くけれども、特に朝廷や正義に味方するわけではないというスタンスが、
物語を面白くしています。(写真:篠山紀信)


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【粂寺弾正】(くめでらだんじょう)
朝廷の関白・文屋豊秀の家臣。「毛抜」の主人公。明るくおおらかで肝が据わっており豪快。
一見だらしなくラフな人物を装ってますが、実は頭が良くて強いのです。
「毛抜は踊るが煙管は踊らず」という現象から、姫の奇病が実は磁石を使った企みであるということを
見事に見破り、天井裏の忍びを槍で一突きに。
平安の「シティ・ハンター」荒事ならではの正義のヒーローです。


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【鳴神上人】(なるかみしょうにん)
早雲王子の陰謀により、朝廷に恨みをもつよう仕向けられ、竜神を滝壷に封じ込めて旱魃を引き起こしますが、
早雲王子の陰謀をいち早く察知した安倍清行から遣わされた絶世の美女・雲の絶間姫の色仕掛けに堕ち、
術を解かれてしまいます。
仏道を極めた強い意志と智恵を持つ前半の厳格な上人が、酒と色気に溺れて還俗し煩悩に狂う豹変ぶり
「柱巻きの見得」が見ものです。


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【不動明王】(ふどうみょうおう)
大日如来の化身であり、早雲王子や鳴神上人の執心悪縁を鎮め、天下に平穏をもたらす。
真っ赤な炎に包まれ宙に浮くイリュージョンや「不動の見得」も見ものですが、
なんといっても、人間を超越した神仏を演じるということで、演技力以上に必要なのは、
圧倒的な存在感や迫力、オーラです。
CGで姿が大きくなるわけでもないのに、不思議と舞台いっぱいに大きな不動明王が怒りに燃えているように
感じてしまうくらい、凄まじい気迫に満ちています。


個性も役どころも全く異なるこれら5つの登場人物を、海老蔵丈は毎日全力で演じます。
早替りもあり、スピードと凄まじい気迫に、観劇というよりまさに「体感」といえるこの舞台。
博多座は今日も熱狂の渦です。

みなさまも、是非ともお早く「体感」されますよう、ご案内申し上げます。
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by narukami_2009 | 2009-10-07 14:45 | 見どころ


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